「けんちゃんのよりは、マシやった」

「けんちゃんのよりは、マシやった」

そう言われて、嬉しくなりました。

前回までは、そんなこと言うタイプでなかった子が、さらっとそう言ったから。

６／２２(土)〜２３(日)まで無人島冒険キャンプでした。
雨天に見舞われ、無人島に行くことは断念せざるを得ない状況でした。

２日目の朝も雨が降ってました。

その中で、子どもらが「海に行きたい」と８割以上の子が懇願してきたため、
その氣持ちを受け止めた上で、こちらの見解も伝えました。

◯みんなの氣持ちは可能な限り叶えてあげたいこと、
◯スタッフはみんなの安全管理をする責任があること、
◯今まで雨の中、海に行って、行かなければ良かったとなった子が多数いたこと、

を丁寧に伝えました。

それでも、８割以上の子が海に行きたい！と伝えてきたので、
その氣持ちを受け止めた上で、こう伝えました。

「雨の中は、いつも以上に危険も伴うからスタッフは全員ついていくことになる。そして、最終的に遊べるかどうかはこちらで判断するし、（安全のため）遊べるとしても時間はこちらで決めるよ。その上でも、子どもらも全員が行くなら行ってもいい。今は行きたくない（かえるのがっこうで遊びたい）子もいるから、どうしたら良いか、みんなで話し合って、意見を纏めてくれる？」と。

そしたら、ものの５分ぐらいで「決まったよー！」の声が聞こえてきて、
「まず、全員で海に行って、帰ってきてからここでも遊ぶ」とのこと。
みんなの表情を見ると、誰1人として不服な様子はなく、むしろ清々しい感じ。

そこで、ほな、「準備できたら声かけてね」と伝えると、
誰もがスタッフより準備が早く、こちらが待たせてしまうぐらいでした。

１日目にも海に行ったのですが、その時とは比べ物にならないぐらい早く、
そして、忘れ物もなかったところにびっくりしたと同時に、
自分たちで決めたことだからこうなったんだと、
どんなことでも自ら決定することの大事さを改めて感じました。

実際、海辺まで行きましたが、
案の定、海は荒れており、雨もひどかったため、
海で遊ぶことはできず、水切りをしたりする程度でしたが、

不思議とこの一連の時間に対する不満は1人からも出ず、

むしろ、この時間の後の方が
よりそれぞれが有意義に過ごしていた様にすら見えました。

そのうちの４人ぐらいは、
昼ご飯作りをめちゃくちゃ真剣に楽しんで取り組んでおり、
初めて人参を切ったと思えないぐらい綺麗に丁寧に切っていたり、
揚げ物にひたすら取り組んでいたり。

ある子は、「家に帰りたくない」とボソッと伝えてきて、
何でか聞いてみると、「楽しかったから」と言ってきたり、
それを聞いてる子がそれに乗っかってきたり。

ある子らは、
「お風呂に入りたい。入るだけでなく、薪を使ってわかしたい」
と言ってきたので、
めちゃ時間かかるよ！と伝えても
「やる！」と言ってやり始めたり。

ある子らは、誰かの似顔絵を書いて、遊んでいたり。

この海の後の子どもらの様子を見ても、
朝の話し合いで自分らが決めたことが響いている感じでした。

そして、最後の帰りの会にて、こう聞きました。
「子どもらだけで話し合い、みんなで海に行くという決断をすぐに出して、準備も早くて感動した。海で遊ぶことはほぼできなかったけど、話し合えて、実際に行動に移すことができてめちゃくちゃすごいことやと思う。実際、話し合いはどうだった？」と。

前置きが長くなりましたが、
それで帰ってきた答えの一つが冒頭のこれです。
「けんちゃんの（話）よりはマシやった」

おいらは、ついつい話が長くなっちゃう傾向がありまして（笑）
退屈に感じていたんだろうなと（笑）

無人島に行けなかったことは本当に残念ですが、
その中でも、
その中だからこそ、こんな素敵な時間も過ごすことができました。